はじめに:最高のセルフケアは「正しい姿勢」から!
これまで、リンパ、呼吸、腸活、そして睡眠と、体の内側からの循環(巡り)を整えるセアを紹介してきました。でも、どんなに良い食事やサプリを摂っても、ある一つのことをサボっていると、その効果は半減してしまいます。
それが、「姿勢」です。
姿勢の良し悪しを決めるのは、主に「筋肉」の働きです。皆さんは、筋肉を単なる「重いものを持ち上げるための力持ち」だと思っていませんか?
実は、筋肉は私たちの全身の循環システムを動かす、非常に重要なポンプの役割を担っているんです。今回は、この筋肉と姿勢の関係から、「姿勢をサボるとなぜ巡りが止まるのか」を、施術家の視点を交えて解説していきましょう!
1.筋肉は「第二の心臓」!巡りを支えるポンプの役割
心臓が動脈に血液を送り出すのはご存知の通りですが、その血液を心臓に戻したり、老廃物を回収したりする後半の循環は、主に筋肉が担っています。
▶血液循環への貢献(静脈)
特に心臓から遠いふくらはぎの筋肉などは、収縮と弛緩を繰り返すことで静脈を圧迫し、重力に逆らって血液を心臓に戻します。これを「筋ポンプ作用」と呼びます。
▶リンパ循環への貢献(リンパ)
リンパ管には血液のような強力なポンプがありません。リンパ液は、筋肉が動くことや呼吸によって圧迫され、初めて流れることができます。
つまり、長時間同じ姿勢で筋肉を動かさない(姿勢をサボる)と、この筋ポンプ作用が停止してしまい、血液やリンパの循環が滞る、というわけです。これが、むくみや冷え、老廃物の蓄積に繋がるのです。
2.姿勢の悪さが招く「筋肉の硬直と自律神経の乱れ」
悪い姿勢(特に猫背や巻き肩)を続けることは、単に見た目が悪いだけでなく、筋肉を慢性的に緊張させ、自律神経にも悪影響を及ぼします。
▶硬直と血行不良
猫背になると、首や肩、背中の筋肉が常に緊張し、硬く縮んだ状態になります。この硬直が血管を圧迫し、血行不良を引き起こします。これが、慢性的な肩こりや頭痛の根本原因です。
▶自律神経への影響
筋肉の慢性的な緊張は、体を常に「戦闘モード」(交感神経優位)だと錯覚させてしまいます。リラックス(副交感神経優位)できなくなり、寝つきが悪くなるなど、心身のバランスが崩れてしまうんです。
3.【今日からできる】「姿勢のサボり」を防ぐ2つのアクション
姿勢の悪さは、筋力不足だけでなく、「意識」と「柔軟性」の問題が大きいです。
「座りっぱなし」の時間を意識的に断ち切る リンパや血液の流れを回復させるために、デスクワーク中でも最低1時間に1回は立ち上がり、数分間、足踏みや伸びをしましょう。少しの動きでもポンプ作用は再開します。
「最高の姿勢」を筋肉に覚えさせる 正しい姿勢とは、「最も楽で、疲れない姿勢」です。
▶立ち姿勢
耳、肩、股関節、膝、くるぶしが一直線になるように意識してみてください。
▶座り姿勢
骨盤を立てて座り、背もたれに頼らず、座骨で座ることを意識しましょう。これにより、腹筋(インナーマッスル)が使われ、腸が圧迫されずに済みます。
終わりに:筋肉をポンプとして機能させよう
筋肉は、あなたの体を支えるだけでなく、リンパと血液という大切な「命の循環」を支えるポンプです。
姿勢を意識するだけで、あなたの全身の巡り、自律神経、そして体調は確実に上向きます。
身体に最大限の循環を生み出すために、筋肉と姿勢を整え最高の「循環のポンプ」として機能させていってくださいね。
それでは…
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