はじめに:あなたの呼吸、どこから?
体が外から酸素を取り入れる経路は、鼻と口の二つ。
しかし、健康や集中力、そして自律神経の安定を考えたとき、
どちらから取り入れるのがより良いのでしょうか?
答えは、「鼻呼吸」です。
施術家の視点: 口呼吸は無意識のうちに体の緊張を高め、
浅い呼吸につながり、自律神経を乱します。登録販売者の視点: 鼻呼吸と腹式呼吸をマスターすることは、
免疫力や疲れにくい体を作るための最も重要な基礎技術です。
今回は、呼吸の土台となる「鼻呼吸」の重要性とそのチェック法、
そして心と体の安定装置である「腹式呼吸」の正しい技術を解説します。
1.なぜ鼻呼吸が良いのか?口呼吸との決定的な違い
一般的に口呼吸よりも鼻呼吸が推奨されるのは、鼻が持つ優れたフィルター・加湿・加温機能にあります。
| 呼吸経路 | メリット | デメリット/リスク |
| 鼻呼吸 | 空気を加湿・加温しホコリを除去、副交感神経を刺激しリラックス効果を得やすい。 | 鼻詰まり時はやりづらい。 |
| 口呼吸 | 一度に大量の空気を取り込みやすい(運動時など)。 | 口や喉が乾燥、フィルター機能がないため風邪をひきやすい。いびき、集中力低下の原因に。 |
鼻呼吸のメリット: 口を閉じると自然に舌が上あごに付き、首や肩の緊張が緩み、姿勢が安定しやすくなります。「鼻で呼吸すること」は、体と心を整える“自然な仕組み”なんです。
2.あなたの呼吸をチェック!無意識の「口呼吸」傾向
以下の項目に3つ以上当てはまる方は、無意識のうちに口呼吸になっている可能性があります。
- 朝起きたときに口や喉が乾いている
いびきをかくと言われたことがある
集中するとき、無意識に口が開いている
唇がよく乾く
口呼吸のほうが楽だと感じる
【鼻呼吸に戻すための簡単トレーニング】
唇を軽く閉じる: 上下の歯は離したまま、唇だけをそっと閉じます。“口を休める”イメージで。
舌を上あごにつける: 舌先を前歯の裏ではなく、上あごの中央に当てます。この位置が正しい「安静時の舌の位置」です。
就寝時の工夫: 枕の高さを見直したり、口に医療用テープ(肌が弱い方は注意)を軽く貼ることで、寝ている間の無意識の口呼吸を減らしましょう。
3.【技術の核】腹式呼吸で心と体を安定させる
鼻呼吸で空気を加湿・加温できたら、次は「腹式呼吸」で呼吸を深くします。腹式呼吸は、心と体を整える“安定装置”です。
腹式呼吸のメリット:
リラックス効果が高まる: ゆっくり深く息を吐くことで副交感神経が優位になる。
姿勢・声が安定: 横隔膜が動き、体幹が安定し、声も安定して通りやすくなる。
腹式呼吸の基本のやり方
姿勢を整える: 背筋を軽く伸ばして座ります。手をおへその下あたりに当てて、お腹の動きを感じられるようにします。
吸う: 鼻から3〜4秒かけてゆっくり吸います。胸ではなく“お腹が前に出る”のを意識しましょう。
吐く: 口から6〜8秒ほどかけて、細く長く息を吐きます。お腹が自然にへこんでいくのを感じながら、「余分な力や思考が抜けていく」イメージを持つと◎。
声と連動させるコツ: 慣れたら、吐く息に合わせて「はー」っと声を出す練習をしてみましょう。声が小さくてもOK。“息の流れ”とお腹のへこみを一致させると、呼吸がさらに深まります。
まとめ:呼吸の質は「鼻と腹」で決まる
呼吸は、健康・集中力・睡眠すべてを支える“土台”です。
「吸う」「吐く」よりも前に、「どこで呼吸しているか(鼻か口か)」を意識し、
そして「お腹(腹式)で呼吸できているか」を意識するだけで、
呼吸の質は一段と深まります。
まずは今日から、鼻呼吸と腹式呼吸の基本を日常に取り入れてみてください。

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