2025年10月6日月曜日

#35.【施術家が警告】自律神経が乱れる原因!猫背・巻き肩が招く「浅い呼吸」改善ストレッチ


はじめに:息苦しさの原因は「姿勢」にある

前回の記事で、深い呼吸が自律神経と体内の循環を整えることをお伝えしました。
しかし、「深く呼吸しようと思っても、なんだか息苦しい」と感じることはありませんか?

その原因は、実はあなたの「姿勢」にあるかもしれません。

  • 施術家の視点: 猫背や反り腰、巻き肩といった姿勢の乱れは、横隔膜や肋骨(胸郭)の動きを物理的に妨げ、呼吸が浅くなります。

  • 正しい姿勢で
    登録販売者の視点: 浅い呼吸が続くと、酸素不足から自律神経の乱れ慢性的な疲労感、集中力の低下を招くという悪循環に陥ります。

この記事では、呼吸と姿勢の深い関係性、
そしてデスクワークの合間にも取り入れられる改善のポイントを、
即効性の高いセルフケアと共にご紹介します。


1.悪い姿勢が呼吸を浅くするメカニズム

私たちの呼吸は、主に横隔膜の上下運動と肋骨(胸郭)の開閉によって支えられています。姿勢が崩れると、これらの動きが制限され、浅い呼吸になってしまいます。

姿勢のタイプ呼吸への影響と結果深刻な問題点
猫背背中が丸まり胸郭が圧迫され、肺が縦に広がりにくい。→ 浅く速い胸式呼吸になりがち。慢性的な酸素不足と交感神経優位を引き起こす。
反り腰腰が過剰に反ることで、お腹のインナーマッスルが使えず、横隔膜の上下運動がしづらくなる。腹式呼吸がしづらくなり、リラックスモードに切り替わりにくい。
巻き肩肩が前に出て胸の筋肉が硬直(大胸筋など)。胸郭の横への広がりが妨げられる。呼吸がスムーズにできず、肩こり首のこりにも直結する。

このように、姿勢の崩れは「息苦しさ」や「疲れやすさ」に直結しています。


2.呼吸を整えると姿勢も安定する「相乗効果」

呼吸と姿勢は、どちらかが崩れるともう片方も乱れ、整えると相乗効果が期待できる「鏡」のような関係です。

深い腹式呼吸を行うと、横隔膜や体幹のインナーマッスルがしっかり働き、自然と背骨が安定します。体が内側から支えられるため、正しい姿勢を意識的に保つのがラクになるのです。


3.【施術家直伝】姿勢と呼吸を同時に整えるセルフケア

ここからは、呼吸と姿勢を同時に整える、即効性の高い3つの方法をご紹介します。

  1. 壁を使った「姿勢リセット呼吸」 (基準の学習)

    • 手順: 壁に背中をつけ、頭・肩甲骨・お尻・かかとを軽くつける。お腹に手をあて、鼻から息を吸いながらお腹をふくらませ、口からゆっくり息を吐きながらお腹をへこませる。

    • コツ: 壁を使って正しい姿勢の基準を体に覚えさせながら、横隔膜を大きく動かします。

  2. 椅子でできる「骨盤呼吸」 (横隔膜の連動)

    • 手順: 椅子に浅めに腰掛け、背筋を伸ばす。吸うときに骨盤をやや前に傾け、吐くときに少し後ろに傾ける。

    • コツ: 骨盤と横隔膜は連動しています。この動きを意識することで、インナーマッスルが働き、自然と腹式呼吸が深まります。

  3. 巻き肩改善ストレッチ+呼吸 (胸郭の解放)

    • 手順: 両手を背中で組み、肩甲骨を寄せる。胸をひらきながら深く吸い、吐きながら肩の力を抜く。

    • コツ: 硬くなった胸の筋肉をストレッチしながら行うことで、胸郭が大きく広がり、呼吸が根本からスムーズになります。


4.日常で気をつけたい継続のポイント

小さな工夫を積み重ねることで、姿勢と呼吸の質は大きく変わります。

  • スマホの持ち方改善: スマホを見るときは、画面を顔の高さに持ってくることで、首猫背を防ぎ、気道の圧迫を避けましょう。

  • デスクワーク中のリセット: 1時間に1回立ち上がり、背伸び(手を上にあげて胸を開く)をすることで、猫背で固まった胸郭を開放し、深い呼吸を促します。

  • 呼吸を「姿勢のチェック」とセットに: 深呼吸をするときは、「今、姿勢は崩れていないか?」とチェックする習慣をつけましょう。


まとめ:深く呼吸できる姿勢が、体と心の土台

呼吸と姿勢は、お互いに影響し合う「鏡」のような存在です。

悪い姿勢は浅い呼吸を招き、浅い呼吸はさらに姿勢を崩す
――そんな悪循環に陥らないためにも、
日常の中で「深く呼吸できる姿勢」を意識することが大切です。
姿勢が整えば呼吸がラクになり、呼吸が整えば自律神経も安定します。

この姿勢改善と呼吸法は、次の記事で解説する「睡眠の質」にも直結します。

次回もどうぞお楽しみに。


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